甘いキスをわたしに堕として。
大丈夫、大丈夫。
きっと朱里たちは来てくれる。
ほら、その証拠にさっきのお兄さんがどこかに電話をかけてるから。
殴られたっていい。
お兄ちゃんがいなくなった今、失うものは何もないから。
ピタっとわたしの目の前で止まると、顎をクイっとあげて何やら眉間に皺を寄せる男。
「へぇ…あの時の女じゃんか。あん時は泉たちがいたから逃げられたらけどよぉ、今回ばかりは…見逃さねぇぞ?」
ゾワっと背筋が凍るような寒気がした。