再会した幼馴染に溺愛されています。

「あれ?」


ああ、私あの後教室に戻れるわけもなく保健室に駆け込んだんだっけ。


涙で枕を濡らしながらいつの間にか寝ちゃってたんだ……。


カーテンが閉められた中にある簡易的なベッドで目を覚ました。
もう放課後のようで外からは運動部の掛け声が聞こえてくる。


「もう帰ろう……」


私は少しでも気を紛らわすために一人しかいないのにわざと声を出す。


こんな事しても無意味なんだけど。


私は起き上がって布団を丁寧にたたみカーテンを開けると、こういう時だけタイミング良く息を切らした冬馬が保健室に駆け込んでくる。


うわあ……最悪。
今一番会いたくないのに……。


「アキ、保健室にいるって聞いてさ……すぐ来るかと思ってたけど来ないから心配になってさ」


何も知らない冬馬はいつものように優しく私を見つめる。


けど今はそんな優しさなんていらない。


その優しさは私を切り裂くだけだよ。
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