同居人は無口でクールな彼
第3章 わたしたちの共通点
わたしと翔哉くんは正反対だと思う。
わたしは翔哉くんみたいに、はっきりと物が言えないし。
あんなに堂々としていられない。
でも、わたしたちには一つだけ共通点があった。
それは――
「おい、英語のノート出てないの、篠原だけだぞ」
「お前が声かけて来いよ」
「ヤダよ!お前がノーともらって来いよ」
クラスでは一人だということ。
わたしも翔哉くんも学校には友達が一人もいない。
いつも独りぼっちで誰とも話をしない。
味方がいないこの状況が、わたしには耐えられないくらい辛かった。
翔哉くんはそんな気持ちになったことないのかな?
最近は彼を目で追うことが多くなった。
その時にいつも目に入るのは、一人で机に伏せる翔哉くんの姿。
ひとりでいることが辛いのか、辛くないのかは分からない。
だって、いつ見ても彼は無表情なのだから。