【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
「はい!」
凌玖先輩も普通そうだし、大丈夫かも。
気にしてたのはわたしだけかな。
°・
*
昇降口まで歩いてローファーに履き替えた。
屋根が終わるところでカバンに入ってるピンクの折りたたみ傘を広げようとしたら、凌玖先輩にストップをかけられた。
「歌桜。俺のに入って」
そう言って、わたしを招く。
そのしぐさにドキッと胸が跳ねた。
凌玖先輩の傘に……?
だって、それじゃあ、相合傘になっちゃう。
「わたし、傘持ってますよ?」
〝凌玖先輩が濡れないように〟と思って返した言葉だったけど、言ってから後悔した。
せっかくお誘いしてくれたのに可愛くないこと言っちゃった。
変な気をまわさないで、素直に喜べばいいものを……っ。