【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
凌玖先輩よりも早く口を開いたのは海紗ちゃんで、やっぱり話したいことがわかってるみたい。
「荒波から聞いたことがウソだとわかったからな」
そう言われて、海紗ちゃんは悔しそうに唇を噛んだ。
下がっている両手にぎゅっと力を入れて。
「っ……。生徒会を辞めろって言われるんでしょうか」
たぶん、凌玖先輩に話しかけられた瞬間、いろんなことが頭に駆け巡ったんだと思う。
わたしもそこまでは考えてなかった……。
「それは……」
「辞めろとは言わない。ただ、歌桜を傷つけたのは事実だ。それよりも気にするべきことがあるだろう」
わたしが否定しようとしたら、上から声がかぶさった。
海紗ちゃんの態度が気に入らなかったのか、少しキツめに話す凌玖先輩。