【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
俺が惚れたから

°



入学式から数日後。

授業が少しずつ始まっていき、楽しみにしていた家庭科の時間になった。



「それでは、準備ができた班から材料を取りに来てくださいね〜」



若い女の先生の癒しの声で調理が始まる。

今日も女の子たちが誰に手作りクッキーをあげるかで盛り上がっていた。


わたしもあげる相手は決まっている。


お礼の気持ちを込めて、藍澤先輩に美味しいクッキーを作るんだ。

喜んでもらえますように……っ。



「歌桜、すごい気合い入ってるね。藍澤先輩にあげるの?」

「えっ……!」



華恋ちゃんが楽しそうに口を緩ませて聞いてくる。


わ、わかっちゃう……?

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