旦那様は征服者~慎神編~
「莉杏、今日は外食しようか?」
「え?あ、うん」

「何食べたい?」
ソファでまったりし、並んで座っている慎神と莉杏。

莉杏に横からキス責めしながら、慎神が言った。

「ん…何でもいいよ!
慎神くんが決めて」
「んーそうだなぁ。
ちょっと、会わせたい奴もいるから……
和食でいい?」
「うん…」

(会わせたい?
慎神くんが……!?私に!?
嘘…!?)

親友の新汰に会わせるのもあんなに大変だったのに、慎神はごく普通に言う。

莉杏は言葉にならない不安をかかえながら、慎神と外に出たのだった。


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慎神が仕事の会食に使う、高級料亭。
離れに連れていかれた。

「まずは、ゆっくり食事してからね!」
二人はコース料理を、ゆっくり味わう。

少し酒も入り、気分も雰囲気も和やかになっていく。

「慎神くん、美味しいね!」
「うん!」
「でも……慎神くん、やっぱりあんま食べてない(笑)!」
「だから、莉杏を見て酒飲むだけで十分なの!」

「でもお家ではちゃんと毎食、完食してくれるでしょ?」
「そんなの、当たり前だよ!
莉杏が作った料理、全部食べたいもん!
残すなんて、あり得ない!」
「慎神くん……
ありがとう!」
莉杏が微笑むと、慎神が手に持っていたお猪口を置き煙草を吸いだした。

「莉杏、こっち来て!」
そして煙草の煙を天井に吐いて、莉杏に手招きした。
「うん」
横に座る。
「莉杏、キスしよ?」
「え?でも…ここは、恥ずかしい…////」
「ダーメ!ほら、僕を見て?」
「慎神く…」
「莉杏…可愛い……」
口唇が重なった。

「失礼いたします、天摩様。喜原です」
そこに襖の向こうから、女将の喜原(きはら)が声をかけてくる。

「んんっ!!慎…神く…女将、さん…が……」
「どうぞー」
莉杏にキスしながら、女将に声をかける。

「失礼いたします。お連れ様がいらっしゃいましたよ」

「入れて」
「え……慎神、く…離し……」
更にキスをする、慎神。
口唇や頬に、キス責めを繰り返す。

「失礼いたします!」

「え━━━━」
莉杏は襖を背にして、慎神のキスを受けている。
入ってきた人物の声に、身体に緊張が走った。

「ごめんね!“成見(・・)
急に呼び出して!」

「いえ。慎神様のご命令なら、何でもいたします!」

莉杏は、ゆっくり振り返った。

そこに立っていたのは、紛れもなく“あの”成見だった。
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