あの瞬間キミに恋した
☆拓哉視点☆

紗羅ちゃんと再会出来て、これは運命じゃないかと思ってたのは、僕だけだったのかな・・・。
あの頃、僕は紗羅ちゃんが好きだった。
いや、違う・・・。僕は初めて会った時に、紗羅ちゃんのこと好きになってたんだ。
子供だったけど、子供なりに真剣に紗羅ちゃんを愛してたんだ。
本気で再会出来ると信じてたし・・・。

それから、紗羅ちゃん以上に好きになれる女の子がいなかった。
紗羅ちゃんに会えて、まだ紗羅ちゃんのことが好きな自分に気が付いたんだ。

でも・・・。

さっき、僕は紗羅ちゃんに登下校一緒にしない?って聞いた。

帰ってきた答えは、「私櫂斗と付き合ってるんだ」と・・・。

そうじゃないかと、思ってたけど。
紗羅ちゃん本人に言われると、かなりキツイ!!

でも、おかしいんだ・・・。
前に紗羅ちゃんにちゃんと聞いたんだ、岡田と付き合ってるのか?って。

あの時は紗羅ちゃん、ただの幼なじみってだけで付き合ってないって言ってたんだ。

ってことはその後に付き合い始めたってこと?
それとも僕に嘘ついてる?
でも、紗羅ちゃんが僕に嘘をつくとは思えない。
いや、思いたくないだけなのかもしれない。

でも、はっきりさせたいから
今度紗羅ちゃんと2人っきりの時に、もう一度聞いてみよう。

そう思っていると
「相沢君おはよ~~」と七瀬さんがやって来た。

「七瀬さんおはよう」

「紗羅見なかった?」

「さっき教室に行ったよ」

「そう?ありがと相沢君」

七瀬さんに聞いてみようか?
うん、聞いてみよう・・・。

「七瀬さん」

「ん?なに」

「紗羅ちゃんと岡田君のことなんだけど」

「紗羅と櫂斗君がどうかした?」

「うん、紗羅ちゃんと岡田君って、いつから付き合ってるのかと思って・・・」

すると、七瀬さんは少し考えて

「え?最近だよ」と言った。

「そうなんだ・・・。でも、紗羅ちゃんと岡田君ってずっと一緒だったんじゃないの?」

「ううん、櫂斗君は中1の時にアメリカに引越ししてから、今まで紗羅とは連絡取ってなかったのよ。で、高校の入学式の時に紗羅は櫂斗君が帰って来たって知ったみたいよ」

拓哉「・・・」

「相沢君どうしたの?」

「あっ!ううん、なんでもない。変なこと聞いてごめんね」

「じゃあ私教室行くね」

「うん。またあとで」

どういうことだ?
今まで連絡取ってなかったって・・・。

最近2人は付き合い始めたって?

もう少し出会うのが早ければ、紗羅ちゃんと付き合えたのかな?
岡田と再会する前に、紗羅ちゃんに会えてたら・・・。

神様っていじわるだね。
こんなに紗羅ちゃんのことが好きなのに。
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