ズルい男に愛されたら、契約結婚が始まりました
契約


瑠佳は、友哉が急に優しくなった気がしていた。
話している時は瑠佳に対して凍えるような態度を見せていたというのに、支度を手伝ったり祥太の相手をしたりして、戸惑うくらい穏やかに接してくれる。

準備されていたものを並べたたら、いつもより豪華な昼食になったので祥太はご機嫌だ。

「いっただきまーす!」
「いただきます」

祥太の大きな声につられて、友哉も口をモゴモゴ動かしている。
子どものように大きな声で言うのが、きっと照れくさいのだろう。

サンドイッチをパクついていた祥太が、こっそり薄くスライスしたキュウリをハムサンドから抜こうとしたのが見えた。

「祥太、キュウリも食べようね」
「ええ~っ」

「すっごく薄いから大丈夫だよ」
「ええ~っ」

キュウリをなんとか拒否しようと、祥太はむくれている。

「祥太はキュウリがダメなのか?」
「そうなんです。あまり味はないと思うんですけど苦手みたいで」


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