一途な御曹司は溺愛本能のままに、お見合い妻を甘く攻めて逃がさない

 ベッドの上に、少し乱暴に置かれる。
 鷹也さんがのしかかり、私の目を見てそのまま唇をなぞる。いつもなら優しく感じる仕草なのに、今日はその指先からも怒りが感じられるから不思議だ。

「俺のそばにいることがお前の役割だ」
「……」
「沙穂の全てを知ってるのはこれまでも、これからも俺だけだ」
「そんなのっ……んんっ!」

 批判めいたの言葉はその唇にふさがれる。
 気づいたら少し開いた唇から鷹也さんの熱い舌が入り込んできた。

「ふぁっ……」

 何度も何度も口づけられ、口内をすべて奪われる。

 苦しくて、でも、愛しくて……気づいたら一筋の涙がこぼれた。

 そんな私を見て、鷹也さんはクスリと笑った。

「男の影なんてちらつかされて、何もしないとでも思ったか?」

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