second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
「ちょ・・ちょっ!!!!」
『ほっぺも、唇も冷えてる・・・ちょっとおとなしくしていて下さい。』
キスなんて女を抱く時に挨拶程度にしかしない俺が
自分でもあり得ないと思えるぐらいたくさん、奥野さんの唇に触れた。
冷たかった彼女の唇が自分の唇と同じぐらいの温かさになるまで、たくさん。
唇の温度の変化とともに感じたのは
自分が想い続けた人とのキスは、
・・・それだけで胸が熱くなるということ。
・・・挨拶程度でやめたくないということも。
そんな俺のキスで腰砕け状態までなっている奥野さんを目の前にして
『かわいいですね。奥野さんは。』
俺は本音をこぼさずにはいられない
自分の想いを貫く決意をした俺は本音を隠すことまでやめたから、変な緊張がない
だから自分を取り繕うことなんかももうしない
ただ突き進むだけ
「ちょっ!! ちょっと・・・どういうこと?!」
『そろそろ、頭の中を俺でいっぱいにして下さい。それじゃ。』
本音をこぼす自分を受け入れた俺。
“奥野さん
もう俺は遠慮なんかしません
いつまでも、遠目で大学イチの先輩有名人のふたりをただ眺めているだけの下級生傍観者でいたりなんかしません
俺という存在を少しぐらい、いや、めいいっぱい
意識して下さい“
そういう想いをこめたその言葉を口にするのも躊躇わない。
「は?ちょっと!!! 用事があったんじゃ」
『用事・・・まだありますけど、また今度でいいです。それじゃ。』
本当は奥野さんにストールを渡す以外にももうひとつ用事があった。
けれども、このままでは奥野さんがもっともっと欲しくなると思ってしまった俺。
でも、俺が奥野さんにやったことは、彼女の同意なしでの強硬突破。
もっともっと欲しがるのはやはり彼女が俺のことを同僚という存在だけでなく、特別な異性であるという印象を抱いてからでなくてはならない・・・
彼女が俺の用事が何だったかを確認したことによって、若干冷静さを取り戻した俺は、今のこの状況から立ち去ることで一旦距離を置くしかなかった。