神様の操り人形
女性社員と楽しく話しながらできたお茶をクソ上司に持っていく。男尊女卑の古い考えを捨てられない腐ったパンみたいな人間だ。もう女性を下に見るような発言をした奴は法律で罰してもいいんじゃないか?

理解のない男に苛立ち、女性を慰めて励ます毎日。少しでも女性の心に寄り添えるなら嬉しい限りだ。

「今日もたくさん救えたな〜」

鼻歌を歌いながら家へと帰る。今日は気分がいいから久々に飲もうかな。この前買ったワインが残っている。実家から送られてきたチーズとクラッカーをつまみにしよう。

そんなことを考えながら歩いていると、突然体に焼けるような痛みが走った。見れば、自分の胸の辺りが赤く染まっている。

「……何……」

地面に倒れ込むと、出血はさらに増していく。どうやら誰かに背後から刺されたらしい。一体誰が?

振り返れば、同じ会社の同僚の女性だった。その手には真っ赤な血がついた包丁が握られており、ハァハァと女性は荒い息を吐いている。
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