恋と旧懐~兎な彼と私~
諦めるかと思った暁くんは,もう100円いれる。



「まだやるの?」

「なんかムカつく」



初めてだったからこそ,クレーンゲームの罠にハマってしまったみたいだった。

結局そのあと,100円を入れ,500円を入れ,私がストップをかけた。



「それ以上はさすがに」

「……もう小銭無いし」

「移動しよっか」



どこか拗ねた様子の暁くんを連れて,今度は出てすぐのところにあった雑貨屋にはいる。



「何も買わないの?」

「うん。まぁ。でもこういう店って見てるだけで楽しいよね」

「ふーん」



どこに行っても見かける,よく分からないカエルの小さな置物を眺めていると,暁くんに聞かれる。

そう言う暁くんは,心なしかバックが膨れている気がした。



「何か買ったの?」

「……別に」



聞かれたくないのかなと思った。
< 100 / 161 >

この作品をシェア

pagetop