恋と旧懐~兎な彼と私~
まちたれた放課後が来て,



「ねぇ今日,ショッピング行かない?」



と陽菜に誘われた。



「えっえっ何それめっちゃ行きたい……け,ど」

「なに? 暁くん繋がり?」



察しのいい陽菜に助けられる。



「なら仕方ないね。その代わり次は私を優先すること!」



私に呆れることもなく,私に罪悪感を感じさせない陽菜の手腕に惚れ惚れとする。



「はい! 必ずや」



私は陽菜にわざとらしく敬礼をして見せて,走って学校を出た。

ゴトゴトと電車に揺られ,1人で降りたことのない駅に降り,さらにダッシュ。

体力のない私はすぐに吐きそうになり,関節と筋肉の痛みを感じながら歩きに切り替えた。

暁くんの家に近いというコンビニでポカリと吸うタイプのゼリーを購入し,弘にビデオ通話をする。

地図なんて,知らない場所で私が使うには不安すぎたから。



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