恋と旧懐~兎な彼と私~
新しいクラスに入って,出席番号を確認すると,席に座った。



「あ」



なんとなしに振り向くと,斜め後ろには頬杖をついている暁くんがいる。

そっか,あかつきとあおのだから。

暁くんは分かっていたのか,じっと私を見つめている。

う……



「お,おはよう」

「おはよ」



返ってくる返事にドギマギしながら,私は前を向いた。



「なんか,ごめんね」



そう謝るのは,私の隣の人。

多分私が暁くんのことを好きなのが,有名なんだと思う。

なら,寧ろ助かったなんて言われても困るよね。



「いや,謝らなくても大丈夫です……えと」

「青山 健(あおやま たける)」

「健さん……青野 愛美です。よろしくね?」



私達は互いにくすくす笑う。




「よろしく。固いから敬称はいい。俺らタメじゃん?」

「健くんでいい? 慣れたら呼び捨てしちゃうかもだけど」

「うん,そうして」



なんか,絡みやすい人だなぁ。

困った時とか頼りやすくて助かる。

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