好みの彼に弱みを握られていますっ!
15. タワーマンションの住人になりました!?
春凪(はな)、来週末は一緒に海へ行きましょうか」

 シャワーを浴びて脱衣所を出ると、すぐそこに宗親(むねちか)さんが待ち構えていて、にっこり微笑んで「行きたいんですよね? 海」と付け加えていらした。

 さっき、ベッドで私が「嬉しい」を誤魔化すために告げた「海」という単語を拾って下さっているんだと分かるから、今更「あれは口から出まかせでしたっ!」とは言えなくて言葉に詰まる。


 宗親(むねちか)さんとアレコレこなすために脱ぐ事を余儀なくされた、短パン代わりの男性用下着や、ブラ代わりのカップ付きキャミソールは、シャワーを浴びた際に再度ちゃんと身につけ直した。

 ただひとつだけ違うのは、ショーツのクロッチ部が冷たく濡れそぼっていて履けなかったこと!
 実は私、いま男性用下着の下、何も履いていなくてかなり落ち着かなかったりします。

 そんな状態だったので、宗親さんの待ち伏せにかなりドキッとさせられてしまったんだけど、顔には出さずにいられたかな?


 そもそも!
 宗親さんが、汚れた先程の白シャツの代わりに新しく出してくださっていた黒い無地のTシャツの丈がっ。
 先達って貸していただいたシャツより少し短めで、ノーパン状態でトランクスさえ履かずに着るには余りにも心許なくてっ。
 黒で、下着などが透けて見えないのは有難かったけれど、長さが足りなきゃ透ける透けない以前の問題だったんだもん!
< 223 / 571 >

この作品をシェア

pagetop