好みの彼に弱みを握られていますっ!
21.マリッジブルー対策?
 宗親(むねちか)さんと一緒に暮らし始めておよそ2ヶ月半。

 この、コンシェルジュ付き高級タワーマンションに転がり込んだのは5月になったばかりの頃だったのに、気が付けばいつの間にやら鬱陶しかった梅雨も終わり、季節はすっかり初夏から盛夏に移り変わっていた。

 さすがにこの部屋で彼とふたりきりでいることにも大分慣れてきたけれど、それでもやっぱり好みのど真ん中のお顔を間近で見るたびに、心臓がドキドキと早鐘(はやがね)を打つのは止められない。

 宗親さんは、結婚式などはさておき、婚姻届自体は早く出してしまおうと言うお考えみたいで。

 それを済ませるまでは私に手を出さないというお言葉も、何気にしっかり守っていらっしゃるの。

(私、初めてってわけじゃないし、別にそんなのこだわらないんだけどな?)

 好きだから触れて欲しいとか……そんな言えるはずもない要望(ことば)は飲み込みつつ。
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