好みの彼に弱みを握られていますっ!
25.初めての*
「う〜」

 このままずっとお風呂にいたら、私、溶けてなくなるか、頭がふわふわして蒸発してしまうか……はたまた(のぼ)せて倒れてしまうかのどれかになってしまうかな?と思う。

「あ〜、でもでもっ」

 このマンションのお風呂場についている鏡は、とっても大きい。
 そして、防湿加工でもされているのかな。

 どんなに湯気が立ち込めていても、滅多に曇ったりしないの。

 だから少し後ろに下がって立てば、もくもくと湯気の立ち昇るお風呂場にいても、自分の姿――もちろん裸!――が否応なく目に入ってしまう。

 私は洗い終えた身体が鏡に映ったのを見て、自分の愚かな選択を思いっきり後悔しています!


「あーん! こんなんじゃお風呂から出られないよぅ」

 別にムダ毛がどうこう言ってるわけじゃないの。

 いや、それも大事だけど、私もともと体毛は薄めだし、言っちゃうとほとんど無毛に近い。

 胸が陥没乳首なのは今更後悔するポイントじゃないし……じゃあ何にショックを受けているのかというと――。
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