私は今日も、虚構(キミ)に叶わぬ恋をする。
「うん! 今度は、真昼ちゃんも来られるといいね!」

「あー……うん、そうだね」


はは、と優星くんは、力なく笑った。


(なんだか、少し元気がないような……?)


「大丈夫、優星くん?
いろいろ連れ回したから、疲れちゃった?」

「え? ……あぁ、いや! 体は何ともないよ」

「そう?」

「うん! ……あ、じゃあ俺、これ買ってくるね、ありがとう」


優星くんはマグカップを持つと、逃げるようにそそくさとレジに向かった。


(……さっきの誘いって…………)


まさか、『また私と2人で来たい』って意味じゃないよね?


(いや、確かに今日は、すごく楽しかったけど!)


でも、私と優星くんは、あくまで偽物の彼氏彼女であって。

今日みたいに真昼ちゃんが急に来れなくなった場合ならまだしも、2人で遊園地に来るなんて、普通は付き合ってる男子女子がするもので。

だから……うん、きっと、そう言う意味じゃないはずだ。

私はそう思いつつも、何故だか胸がちょっとドキドキした。
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