500文字恋愛小説
№44 寒い
「まだかかる?」

「うん。
先、寝てて」

「……じゃあ、お休み」

「お休み」

まだ持って帰った仕事をしている彼を残し、ひとりベッドに潜り込む。
布団の中は冷え切っててなかなか温まらない。

「寒いよー」

それでも少しずつ暖かくなってきて、うとうとし始める。
もうすぐ眠りに落ちる、というころ、ベッドがたわんだ。

「……ん」

「起こした?
ごめんね」

「んー」

ベッドに潜り込んできた彼にぎゅっと抱きつく。
お風呂あがって随分たってるせいか、冷え切ってる。

「おまえはあったかいなー。
子供みたい」

「……ひど」

「でも、安心する……」

次第に寝息に変わっていく、彼の呼吸を聞きながら私も深い眠りに落ちた。
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