500文字恋愛小説
№47 ほんとはね?
「なー、どんなタイプが好み?」

「やっぱりこう、胸がでかい奴?」

「明るい子!
あと目がでかくて可愛い子!」

「派手な奴もあれだけど、暗いのは却下」

「総合すると胸がでかい奴?」

「いや、でかけりゃいいってもんじゃねーし」

……はぁーっ。

教室で莫迦な会話をしている男子にため息が出る。
その中のひとりがちらちらとこちらを見ていることにも。

「ごめん。
怒った?」

場所を変えて図書室で参考書を広げると、隣に座った男子があやまってきた。

……さっきちらちら見ていた彼、だ。

「別に。
いつも通り莫迦やってるなーって」

「ほんとごめん。
でもさ。
おまえのこと自慢したいけど、ほかの奴がライバルになるの、嫌じゃん?」

「は?」

「おまえが可愛いこと知ってるの、俺だけがいい」

子供っぽい、独占欲の強い彼はちょっと可愛いな、とか不覚にも思ってしまった。
< 47 / 103 >

この作品をシェア

pagetop