500文字恋愛小説
№80 ありがとう
「ん。
これ」
 
彼から渡された紙袋に困惑した。

……だって。

ホワイトデーにはまだ早い。
誕生日ですらない。
付き合った記念とかなんかだっけ、とか考えてみるけど思い当たることはなく。

「……なに、これ?」

「おまえの好きなマカロン」

「じゃなくて」
 
……ええ、マカロンは好きですよ?
それにたまに、もらったとか近くを通ったとかでお菓子をくれることはあるけど。
ご家庭用でこんな風に包装はされてない。

「いつもおまえには助けてもらってるし。
感謝してる。だから」

「……なに急に。気持ち悪い」

「あのなー。
……今日はサンキューで感謝の日、
って聞いたから」
 
……ああ、そういう。
てか、そんな日あったんだ?
でもさ?

「じゃあ、私からもありがとう」
 
不意打ちでキスしたら、彼の顔は真っ赤になった。
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