王子の盲愛
「うー苦しー」
昼食が済み、手を繋いで歩いている二人。

「フフ…理世ちゃん、無理しすぎだよ!
僕は大丈夫って言ったでしょ?」
「でも、美味しかった!唐揚げもパフェも!」
「そうだね!」
「王弥くん、寒くない?パフェ食べたから……」

王弥を見上げ、窺うように首を傾げた。
「ううん!大丈━━━━━
あ!寒い……」
「そうだよね!ごめんね!どっか、暖まる所に行こう!」
「理世ちゃん、温めて?」
理世を抱き締める、王弥。

「うん…」
理世も王弥の身体に巻きついた。

「温かい…理世ちゃん…」
「そうかな?」
「うん…幸せ~!」
「私も……」
二人はしばらく、抱き締め合っていた。


「んーー!気持ちいい~!」
それから、温泉に入っている二人。
「気持ちいいね!しかも、理世ちゃんを抱き締めてると…倍、気持ちいい~!」

理世を後ろから抱き締め、頬擦りする王弥。

「王弥くん」
「ん?」
「私、王弥くんのこと好きだよ」
「僕は、大ー好き!」
「だからね」
「ん?」
「お願いだから、王弥くん自身も大切にして?
私達、相思相愛なんだよね?」
「うん」
「だったら、お互いに大切にし合わないと……!」

「うん…わかった……」

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「理世…可愛い……」
「んん…恥ずかし……」
布団を一つだけ敷いて、ぴったりくっついて横になっている、二人。
理世は王弥の腕枕で、抱き締められている。
シングルの布団なので、かなりくっついている。

「やっぱ、もう一つお布団出そ?
いくらなんでも、狭いよ?」
理世がもぞもぞ動きながら言った。

「やだー!今から僕達、愛し合うし!」
「え?」
すると、あっという間に組み敷かれた。

口唇が重なって、徐々に深くなる。
口唇から、頬や首、鎖骨……身体に落ちていく。

「フフ…浴衣って、なんかエロいね…!」
「恥ずかし…////」
「理世…僕を見て?」
「王弥く……」
理世がゆっくり、王弥に手を伸ばす。
その手を掴んだ王弥は、指にチュッとキスをして指を絡めた。
「そうだよ…ちゃんと見てて……」

「ん…」
「いつも、お互いを意識して見つめ合わないと意味がない」
「ん…あ……はぁ…」

「僕達は、二人でひとつなんだから……!」

何度も抱き合って、夜が明けた。


翌日ロビーで会計を待っている、二人。
ソファに並んで座り、王弥が理世の腰を抱いている。
二人は、楽しそうに話に花を咲かせていた。

「王弥?」
そんな王弥と理世に、二人の綺麗な女性を連れた男が声をかけてきた。
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