偶然から始まった恋の行方~敬と真理愛~
皆川総合病院までこんなに早く着いたことはない。
一体どのくらいのスピードだったのか記憶もないくらい、必死に車を走らせた。

指定された救急外来には皆川先生と環が待っていた。

「大丈夫、冷静に話せる?」
環に確認されたけれど、
「いいから早く会わせてくれ」
礼も言わずに急かしてしまった。

「とりあえず2人で話しなさい。その間敬也君は私が見ておくから」
「ああ」

敬也かあ、子供にも会いたいが今は真理愛と話すのが先だ。

「いい、本当に大丈夫ね?」
「ああ」
しつこい。

真理愛が待っている診察室に入る前にもう一度環から念を押され、俺は1年ぶりに真理愛と対面した。
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