偶然から始まった恋の行方~敬と真理愛~
1時間ほど経っておじさんとママが病院に現れ、私たちは救急病棟に異動した。

まさかママが一緒に来るとは思っていなくて驚いたけれど、今だに意識が戻らないお父さんの状態を思えば当然かもしれないと納得した。

「状況はかなり悪いと言えますが、きちんと治療をすれば意識は回復はします。もちろん予断は許しませんが、今すぐに何かがあるということではないと考えます」

救急外来から付き添ってくれた皆川先生がおじさんとママに説明をしてくれる。
その横には白衣を着た敬さんも同席していた。

こうやってきちんと顔を見るのは4年ぶり。
先日ホテルですれ違った時はほんの一瞬だったから。

「状態が落ち着けば内科病棟へ入院してもらうことになりますが、しばらくは救急病棟での入院になります。その間は救命科の患者さんとして僕たちで担当させていただくことになりますので」
救命科の医師として説明する敬さん。

いかにも医者って感じの落ち着きがあって、ずいぶん大人っぽい印象。
4年もたてば人間変わるのね。

「何か質問はありますか?」
おじさんとママと私の方を見て敬さんが尋ねる。

「「いいえ」」
私とおじさんの声が重なった。
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