唯くん、大丈夫?〜小盛り編〜

保健室のドアを開けると保健の先生が「あらま!!」と声をあげて急いで着替えとタオルを持ってきてくれた。


「男子ちょっとそっちで待ってて!」

唯くんを押しのけていそいそと着替えさせてくれると、私をあったかい布団でくるむ。



やっと冷たい制服から解放された。

助かった…。



ホッとすると同時に、全然暖まらずブルブル震える身体とガンガン鳴る頭痛が私を襲う。

「はい、熱はかって。すぐあったかい飲み物用意するわね。」と言ってパタパタと先生が去っていく。



ピピピピ…



「39度…」



えらいこっちゃ。

時計は私が下駄箱を見た時間から1時間半経過していた。



一旦戻ってきた先生が体温計を見て目を丸くした。

「あらー、つらいわね。ご両親にすぐ連絡入れるわね。」

そう言ってまたパタパタと去っていった。



先生と入れ替わりに、飲み物を持った唯くんが相変わらずの無表情な顔を出す。



なんか、

ちょっと機嫌悪そう?



どうしていいかわからないでいると唯くんが飲み物を私の手にもたせる。



あつあつのホットミルクに少し口をつけると、
あったかさが食道を通ってじわ〜と身体に浸透していく。



「うみゃぁ〜…」



羽根村、昇天しました。

< 21 / 80 >

この作品をシェア

pagetop