恋はゆるく,深くがモットーでしょ?
またまた珍しいことだけど,類は友を呼ぶと言うやつだと思う。

でも,やっぱり特別は楓だけだった。

昼寝の時,膝枕は習慣化されている。

気づいたら楓の膝に頭をのせられているのだ。

俺はそれに落ち着いて,少し嬉しくなった。

楓は俺に気を許しているのか,時々寝ていることがある。

俺は楓の寝顔を眺めて,時間になったら起こすのを楽しんでいた。

ただ,無防備過ぎて心配になる。

俺に睨まれて引いていくやつもいれば,逆に燃えるようなめんどくさいやつもいる。

そんな訳の分からない人種に楓を取られるのはごめんだ。

俺は楓の頬を手を添えて,楓を起こす。



「んっ……悟くん? もう時間?」



名前を呼ばれたのは初めてだった。

そんな風に俺を呼ぶんだ。



「悟でいい。楓,好きだ」
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