悪役令嬢は騎士の腕の中で啼く――婚約破棄したら、爵位目当ての騎士様に求婚されました――

最終話 寡黙で不愛想な騎士様の、本当のお目当ては――?※



 窓から覗く夜空にかかる月が、冴え冴えと銀色に光る――。

(なんだかお兄ちゃんの髪の色みたい……)

 そんな風に考えていると、ベッドの上に身体を横たえられる。
 まるで、壊れ物か何かを扱うように、それはそれは丁寧に――。

 窓から、夜の風が花の香りを運んでくる。

「一生、こんな風にお前を愛でることは出来ないと思っていた」

 私の身体の上に跨ったシルヴァが、私の栗色の髪を優しく撫でる。
 彼の長い指が、私の肩に添えられ、肌の上を流れるようにドレスを脱がせていく。
 深緑の蔓のような彼の瞳に心を奪われていると、一度彼の唇に唇を塞がれる。

「あ……」

 甘い吐息が零れる。
 は……と息をしている間に、二つの膨らみが露わにされた。
 見られるだけで羞恥が走るというのに、シルヴァの大きな手に覆われたかと思うと、ぐにゃりぐにゃりと形を変えられる。

「あっ、あ、お兄ちゃん……っ……は、あ……」

「想像以上に、お前の肌は柔らかいな――」

柔肌に彼の指が沈み込んでいる感覚があり、ますます恥ずかしさが増した。
 そうして、彼の長くて節だった指が、充血した実を挟み込み、コリコリと動かし始める。

「ひ、あ、あっ、ああっ……ぁやあっ、お兄ちゃん……」

「お前の啼く声が、可愛くて仕方がない……」

 彼の指に翻弄され、次第に実は硬くとがっていく。
 シルヴァに触れられるといつもそうだが、自分の身体がおかしくなったのではないかと錯覚してしまう。
 彼に乳房を愛撫されているうちに、だんだんと脚の間がぬるぬると濡れていくのが分かる。

「あっ……あっ、あっ、ぁやんっ、あ――」

「ずっと、こうやって、お前に触れたくて仕方がなかった――」

 胸を弄られている間に、彼が上半身に余すことなく口づけていく。彼の唇が触れるたびに、敏感になった身体が、白魚のようにびくびくと跳ねあがった。
 彼の身体が足先まで移動したかと思うと、腰まで下げられていたドレスを、身体から取り払われる。
 もう、ぐしょぐしょになってしまっているショーツも、ゆっくりと膝から足首まで降ろされ、そのまま脱がされてしまった。

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