辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2
 メラニーは小さく頭を振って、「こんなことは言い訳にしかならないわね」と呟く。そして、すっと姿勢を正してから深々と頭を下げた。

「サリーシャ様には本当に不愉快な思いをさせてしまったと思います。心から申し訳なく思っているわ。それに、ローラがあんなことをしでかしたのは、親のわたくしの責任でもあります」

 サリーシャはぼんやりとそのメラニーの姿を見つめた。
 メラニーの気持ちは、サリーシャにも何となくわかった。
 サリーシャにも田舎に弟や妹がいた。もしあの子達と再会したら、やっぱり自分が姉なのだからと面倒を見ようとしてしまうかもしれない。そして、メラニーが純粋に弟であるセシリオと故郷のアハマスを心配して行動していたこともわかった。

「メラニー様、どうか顔を上げてください」

 サリーシャはメラニーに顔を上げるように促した。

< 299 / 310 >

この作品をシェア

pagetop