辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2
 こんなにも広大な地域を治める夫がとても頼もしく感じられた。それと同時に、自分ももっと役に立てるように頑張ろうと、気を引きしめ直した。

 サリーシャとセシリオの乗った馬車は順調に街道を進む。天候にも恵まれ、途中で小雨が降ることはあっても大雨には見舞われずに済んだ。王都に到着する直前になり、サリーシャは移ろう景色を眺めながら、ふとあることに気付いた。

「昨日から、何かの工事をしている地域が多いですわね」
「街道整備の工事だろう。前回、アハマスと王都を結ぶ街道を整備しなおしてほしいと陛下にお願いしたから。早速取り掛かってくれていて、有難いことだ」

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