離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます
蓮斗side5
シエナを引き留める為に、咄嗟に記憶を戻す手伝いをしろ、と、口にしたが、実際は記憶なんて、そこまで重大だと思っていない。

 いや……、やはり、シエナをどれだけ愛していたかは知りたいが……、絶対に今の方が何倍も、何十倍も、シエナを大切に想っている自信はある!

 俺は俺に勝つ!!と、変な対抗心を自分に向ける。

 悪阻で辛そうなシエナの為に、少しでも口に出来る様に、妊婦に良さそうな食べ物や飲み物を調べて、直ぐにコンシェルジュに頼み、取り寄せた。

 いつぶりだろう? 一人暮らしが長いせいもあって家事全般は一通り出来るが、自分の為だけなら面倒くさくて、ケータリングで済ます食事も、シエナの為に愛を込めて調理する。

 楽しい……。

 世の奥様が、旦那の好きな物を用意して、待っている気持ちはこんな感じなのか?!と、気持ちが弾む。

 べットルームに向かい、無防備に眠るシエナが、いつもより幼く見え、可愛いくて、クウッーーーッっと身悶える。

 チュッと触れるだけのキスを落とすと、フニャッと目覚めるシエナも堪らない。

 幸せだ……。

 
 

 
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