離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます
 蓮斗さんの長い指が、私の曲線を辿り、割れ目をなぞって、中へ侵入する。

「や、あっ、あっ、ああっ…… 」

 丁寧に、舌と指を動かして、解されて、次第に奥から蜜が溢れて来て、水音と、甘い吐息が部屋に響いて、それがまた更に欲情を促す。

 お腹の奥から、ジワッっと快感が迫り上がってビクビクっと身体中が、快感に包まれる。

「はあぁ……っ、あ、ああ…… ンンッ 」

 蓮斗さんも、バスローブを脱ぎ、均整の取れた身体を露わにした。

 ほんのりと、汗ばんでしっとりした身体が、覆いかぶさって来る。

(あ…… 蓮斗さんの香りだ…… )

 上気して、仄かにピンク色に染まった身体からフンワリと、蓮斗の纏っている、爽やかな香りが立ち上る。

「シエナ…… 力を抜け 」

「や…… む、無理…… 」

 朦朧として、蓮斗さんにしがみつく。

「大丈夫だ、俺に委ねろ」

 瞼に、頬に、そして唇に、チュ、チュ、チュッとキスをして、ゆっくりと、私の中に挿って来る。

「ああっ…… 」

 のけぞり、快感を逃す。

 私の良いところを探しながら、ゆっくりと、時に激しく、貪り、心地よい快感に、溶けて行った。

「シエナ…… 、 シエナ…… 」

 何度も、艶やかな声で、呼ばれ、やっと実感する。

(ああ…… 私…… 本当にお嫁さんに、なったんだ…… )

 ホウーッ、と頬が自然に緩む。


 逞しく、暖かい腕に包まれて、私の長い、長い一日が、終わりを告げた。



< 65 / 205 >

この作品をシェア

pagetop