天正さんちの家族ごっこ〜私に異母兄弟が七人もいる件について〜
第3戦:六男とはうまくやっていけそうにない件について
 ちゅんちゅんと小鳥の楽しげなさえずりが聞こえる中、私は目を覚ました。いつもより早く目が覚めたけど、頭がすっきりしている。うーん、気持ちいい……!

 なんだか今日はいい一日になりそう。写真の中のお母さんにあいさつをすると、私は制服へと着替える。

 今日の朝ご飯はなにかな。出汁巻き卵だとうれしいな。そう思いながらリビングに入ると、
「おっ、牡丹。おっす!」
 梅吉兄さんがいた。風呂上がりなのか髪の毛が濡れている。……いや、それだけじゃない。なぜか上半身が裸で、腰にタオルが一枚だけ……。

 私の口から思わず、
「キャーッ!!?」
と悲鳴がもれる。

 それを聞いた藤助兄さんが、キッチンからフライ返しを持ったまま飛び出して来た。

「なに、どうしたの!? ……って、もう、梅吉ってば! 牡丹もいるんだから裸で歩き回らないでよ。ほら、早く服を着て」

「えー、なんでだよ。俺、人に見られて恥ずかしい体してないしー」

「そういう問題じゃない!」

 もう、梅吉兄さんっば!

 藤助兄さんが怒ってくれたけど、心臓に悪い!

 梅吉兄さんはぶつぶつと文句を言いながらもリビングから出て行った。
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