純恋歌
あなたの力になりたい
朝、学校に着いて教室についた途端私は自分の荷物を持ったまま麻央に猪突猛進した。

「やばい、トキメキが急に加速した!」

「修平君と別れた翌日、彼氏どころか恋はしばらくしないって言ってなかったっけ?」

「え?言ったっけ?私そんな事言ってないよ」

「てめぇ」

「恋を忘れるにはやっぱ新しい恋しかないよね」

「もう一度言うぞ!てめぇ!」

とぼける私に麻央はあの日の私の涙を返せと笑いながら言ってきた。

「相手はたくぴょんでしょ?」

「え!わかってたの!」

「バレバレじゃん、むしろあれだけ好き好きオーラ出てて気づくなって方が無理あるよ」

どうやら私は拓郎君をいつも目でも行動でも追いかけていた様だった。

だって萌えるくらい可愛いんだもん。

「つか、たくぴょんって気安く呼ぶな!」

「早くも彼女面かよ!つか、どうするの?告るの?」

「どうしよー」

麻央の問いかけに私はその日結局答えられないままだった。

今まで告白をした事がない。

そして私から相手に告白してもらうように仕向けたりアプローチを仕掛けた事もない。

普通に生活してたら何かをする前に向こうから来ていた。

私は休日、小学生時代の友人、田中明菜と恋バナを久々にしようと明菜の家へ訪れた。

「聞いて聞いて!私好きな人が出来たの!……てかさ、明菜、少し会わない間に変わり過ぎてない?」

小学校時代、高嶺の花と言われ可愛い明菜にクラスの男子達は話すだけで緊張してた。

中学時代、女子中ながら他校の男子に沢山告白され、ファンクラブまで存在すると噂が立っていた。

しかし、今、目の前の明菜は

髪はおさげのボッサボサ。

メガネは何センチあるんだと聞きたくなるようなぶっといレンズの丸い黒ふちメガネ。

服はおばあちゃんが商店街で安いと喜んで買いそうな服。

ハッキリいって可愛くなかった。

「大学行く為だからね。意地でも現役合格したくて勉強以外は全て捨てたの」

どうやら明菜は医療系の道に進みたく難関大学に合格する為にステータスの全てを勉強に振ったようだった。
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