純恋歌
しかし、ここ最近1ヶ月は僕の存在が勘に触るのかビシビシ視線を感じるようになっていた。

下僕となる先輩が卒業した事で新たな下僕を探してるのだろうか?

そんな事を考えてると

「さっきはごめんね!」

僕の目の前に上島君がやってきて思わずビクッとなった。

心臓止まるかと思った。

「俺は上島剛きみは?」

「僕は」

苗字の書かれた名札に指をさし

「拓郎……です」

と言った。

「良い名前だね、拓郎って呼ぶから剛って呼んでね」

グータッチを出してきたので

(グータッチで触れる瞬間そのグーで殴ってこないよね?)

不安になりながらも恐る恐るグータッチを返した。

「これお詫びにあげるよ」

そういって剛君はメロンパンをくれた。

(後で金請求しないよね?)

「食堂はダッシュしないといつも混むから嫌なんだよねー」

(これからの日々僕に買いに行けって事じゃないよね?)

「やっぱそれ美味いから半分返して」

(応じなければ埋められる)

そう思い素直に応じた。

「ごちそうさまでした」

手を合わせお辞儀をしていた。

ちゃんとマナーある人なんだと割と失礼な事思った。

これも冒頭でも言ったがウチの学校は学力がそこそこ高いので多くの生徒は黒髪で髪色だけでなく見た目的にもそう悪い人は居ない。
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