エリート副操縦士は年下妻を過保護に愛を注ぎたい。
触れて欲しい



「柚葉〜今日はもう講義終わりだよね?」

「うん。終わりだよー」


 あの結婚式からひと月経った。だけどあれから進展は全くない。キスは挨拶のキス程度の子供にするようなキスだ。触れられることもない。


「今日、ランチ行かない? 出来ればその後ショッピングも」

「え、行く。行きたい」


 奈津ちゃんに誘われて私はさっきまで悩んでいたことの半分がどこかに行った気がする。


「じゃあ、最近できたショッピングモール行く? ランチもそこで済ませれるし」

「そうだね、そうしよ!」

「じゃ、決まり! それに、新婚さんなのに柚葉が悩んでいることも聞きたいし」


 バレてた……!


「私を騙せると思ったら大間違いだからね、何年一緒にいると思ってんのよ」

「あはは……確かに。じゃあ、聞いてくれる?」

「もちろんだよ、聞くに決まってるでしょ」


 奈津ちゃんは、そう言って私の手を引くとバス停まで早歩きで向かった。
 バスで数分、三つ目のバス停で降りる。そこから歩いて十分ほどでオープンしたばかりのショッピングモールに到着した。
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