素直になれない…
「何か食べるか?」
言いながらキッチンへと向かう雄平。
「いいよ、食欲ない」
「悪阻?」
「うん、まあね」
まさか私が妊娠するなんて思ってもみなかった。
そもそも、私は誰とも付き合ったことがない。
子供の頃から活発で、いつも男の子と遊んでいて、その分友達も多かった。
何でも遠慮なくものを言えたし、男の子に混じって遊びに行くことも平気だった。
だからかな、思春期になっても男の子を異性としてとらえることができなかった。
バレンタインデーもいつももらう側で、誰かにあげようなんて気持ちになったこともない。
「子供かあ」
雄平からボソリと囁かれた言葉が思いのほか暗い。
きっと困惑しているんだろうな。
もちろん、初めから喜んでもらうつもりはなかった。
仕方ないとは思いながら、でもやはりこの反応は傷つく。
「確認だけど、」
ちょっと言いにくそうに、私を見た雄平。
「産むんだよな?」
「ええ」
だからこそあなたに報告に来た。
それ以上の意図はない。
ブブブ。
携帯の着信。
あ、父さんだ。
「出ろよ」
「イヤよ」
「何で?」
「だって・・・」
ピッ。
私は着信を切って電源を落とした。
言いながらキッチンへと向かう雄平。
「いいよ、食欲ない」
「悪阻?」
「うん、まあね」
まさか私が妊娠するなんて思ってもみなかった。
そもそも、私は誰とも付き合ったことがない。
子供の頃から活発で、いつも男の子と遊んでいて、その分友達も多かった。
何でも遠慮なくものを言えたし、男の子に混じって遊びに行くことも平気だった。
だからかな、思春期になっても男の子を異性としてとらえることができなかった。
バレンタインデーもいつももらう側で、誰かにあげようなんて気持ちになったこともない。
「子供かあ」
雄平からボソリと囁かれた言葉が思いのほか暗い。
きっと困惑しているんだろうな。
もちろん、初めから喜んでもらうつもりはなかった。
仕方ないとは思いながら、でもやはりこの反応は傷つく。
「確認だけど、」
ちょっと言いにくそうに、私を見た雄平。
「産むんだよな?」
「ええ」
だからこそあなたに報告に来た。
それ以上の意図はない。
ブブブ。
携帯の着信。
あ、父さんだ。
「出ろよ」
「イヤよ」
「何で?」
「だって・・・」
ピッ。
私は着信を切って電源を落とした。