エリート同期に結婚を申し込まれました。



「結婚してくれるんだよな? バーで言ったんじゃん。俺となら結婚していいって」


 嘘でしょ? 

 そんなこと私言ったかな……。そんな記憶、全くないんだけど。

 でも、岡部はこんな綺麗なレストランで小さな四角い箱を差し出している。その中身なんて、開けなくても分かる。


「だから里穂、結婚しよう。一生幸せにするから」

「……っ」


 ……きっと、岡部の言う通り『結婚してもいい』と言ってしまったんだと思う。岡部は嘘を吐くような男じゃない。それは知っているし、自信持って言える。


「やっぱり、ダメか。そうだよな……あれは酒飲んでたし」

「……!?」


岡部は立ち上がると私の側に来て屈んだ。


「俺、本気だから」

「えぇ……!?」

「覚悟して」


そう言って岡部はそっとキスをした。



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