エリート脳外科医の独占愛に、今夜も私は抗えない

「時間って……」


つい身構えて聞き返した。


《たまには食事でもどうかと思ってね。都内に出てきてるんだ》
「こっちに?」
《せっかくだから楓の顔を見て帰りたい》


顔を見たいなどと言われるのは初めてかもしれない。
声の調子が明るく、どことなく機嫌がいいのは気のせいか。

しかしそう言われれば断れない。深く考えるまでもなく楓は頷いた。
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