初恋は海に還らない




「お前、自分で思ってるより顔に出る」
「本当に……?」
「聞いたところで何の為になる。傷付くだろ」
「……けど」



 そんなこと言われなくとも分かってる。でも──。



「私の心を、否定せず掬い上げてくれたのは洸なの。だから、私も洸を知りたい」



 わたしの言葉に、理玖は驚いたように目を見開いた後、深い溜息を吐き、髪の毛をガシガシと掻いた。


 そして、諦めたかのように此方に視線を再び向ける。



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