惚れたら負け─お前のこと好きになった─
「ん、どこの馬の骨かも分からないようなやつに姉ちゃんは渡さねぇから。俺が守るから安心して。」


ふふっ、なんか慧って時々お父さんみたいな事言うんだよな…。


「ありがとう。」


「てか、それケーキ?俺の?」


「うん!そう!あ、そういえば慧は何でここにいたの?」


「母さんが遅いから心配って言うから…」


そんなわざわざ…家から結構な距離があるのに、電車乗って来てくれたの…?


お母さんも慧もどれだけ過保護なの。
私もう今年17になるんだけど…


「そ、っかぁ…」


「うちの家族みんな姉ちゃん大好きだから。俺が特にね。」


笑いながら付け足した慧。


「…慧、大好きとかそういうのは嬉しいけど、
好きな子に言ってあげなさい。」


お姉ちゃん相手にむやみにそういうこと言い過ぎなんだよね。せっかくかっこいいのに。


「俺彼女とかいらないからいいんだよ。それより!早く帰ろ!みんな待ってるよ!」


「はいはい。」


慧に引っ張られて、私は家路を急いだ。
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