片恋リグレットに終止符を.
「っ、」
淡いブラウンの瞳が、確かに俺を映していた。
「…やっぱり」
「……」
「碓氷くんだったんだ、久しぶり」
本当に久しぶりに向けられた眼差しが思考力をじわじわと溶かしていく。
「なんだ? おまえ、こんな可愛い子と知り合いかよ」
「…や、あの」
「中学の頃の同級生なんです」
「えっー、そうなの?」
「はい」
うまく話せない俺とは反対に、菜々は手慣れているように答えていく。
俺の周りを取り巻く数人のサークルメンバーたちと菜々で交わされていく会話をどこか他人事のように聞きながら、頭では別の光景が浮かんでいた。