幼なじみマリアージュ~偽装のはずが、エリートパイロットの溺愛が開始されました~
「それはダメだよ。草壁さん…結さんはまだ…本調子じゃないんだから…」

「槇村先生、ガツンと言ってあげてください」

「草壁さんが悪い…」

「・・・結、槇村先生を味方に付けてズルいぞ!」

「二人共仲よくしようね…凪斗君の為にも」

凪斗を引き合い出され、私と祐斗は黙ってしまった。

「で、喧嘩の理由は訊いていいのかな?」

槇村先生を間に挟んで、私達は話の続きをした。

「パイロットを辞めるか…草壁さんはパイロットの仕事に未練はないの?」

「未練がないと言えば嘘になる」

「なら、そのままパイロットを続けたら?」

「あの時パイロットを辞めていなかったら、続けていれば.悔いは残らなかったのに…何て思う時が来るかもしれない。タラればになっちゃうよ」

「そうよ、祐斗」

私も槇村先生の同調した。

「…結」

「医者としての仕事も悔いが残らないように全力を尽くす。最悪の事態を想定して常に処置にあたる。悔いを残すと負のスパイラルに陥ってしまうからね」


ほんの僅かな症状も見逃さず、ありとあらゆる病状を考えて患者の為に尽くす槇村先生。私と凪斗は先生の手よってに救われた。

「祐斗、分かった…」

「分かった。お義父さんと話をする」

やはり、祐斗のバックには父の姿があった。

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