社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
「奇遇れしゅね〜。うちも(ちぃ)しゃい頃から(おんな)じように言われて育ちましたぁ〜」

 そこでくるみはニコォ〜っと極上の笑顔を浮かべると、
「価値観の合う(ひろ)とは長続(ながちゅじゅ)きしゅるらしいれす♡」
 そう言ってギュッと実篤(さねあつ)にしがみついた。

大好(らいしゅ)きれしゅ。実篤(しゃねあちゅ)しゃんのそういうマメなとこりょ……」

 そこで一旦言葉を止めるとスリリッと実篤に身体を擦り寄せて、

「それからうちを大事(らいじ)(あちゅか)ってくれりゅ優しいとこりょも、凄く(ぶち)凄く(ぶち)凄ぉ〜く(ぶぅ〜ち)! 大好(らいしゅ)きれしゅ!」

 そんなことを間近で可愛らしく顔を見上げられて言われたら、堪らないではないか。

 ごくん、と生唾を飲み込むと、実篤は

「くるみちゃんっ!」

「ひゃぁっ!」

 彼女の名前を熱い吐息と共に吐き出すなり、くるみを先ほどのように横抱きに抱え上げて大股に寝室を目指す。

「ごめんっ。さすがにもう(はぁ)我慢の限界じゃわ!」

 結局〝三本の手〟で運ぶ羽目になってしまったのは、ここだけの話――。
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