社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
「これ、裏と表があったりしゅるん?」

 どっちも一緒に見えてしまったくるみだったけれど。

 何の気なしにつぶやいたら、実篤(さねあつ)が「もちろん」と答えてくるみの方へ手を伸ばしてきて。

「やんっ。取らんで?」

 思わずピッと手を引っ込めたら「えっ?」と驚かれてしまう。

「うちにやらしてくれりゅって約束(やくしょく)らったじゃないれすか」

 ムムーンと口をとんがらせて言ったら、実篤が瞳を見開いた。

「えっ、いや、あれは……開封までの話じゃったんじゃないん?」

 とか。

まさか(ましゃか)っ」

 くるみはフルフルと首を横に振る。

「うちが、実篤(しゃねあちゅ)しゃに付けてあげりゅんれす」

 言ったら「嘘じゃろ」とつぶやかれて。

(うしょ)じゃないけん」

 くるみはゴムを持った手を実篤に見せつけながらにっこり笑う。

実篤(しゃねあつ)しゃんは……うちに(ちゅ)け方の《《れくちゃあ》》をして下しゃい。うち、その通りにやりましゅ」

「ほいじゃけどくるみちゃん……」

「男の(ひろ)(まか)しぇにしたらダメな(いけんの)んじゃろ?」

 ウルルンとした目で見上げたら、実篤に盛大な溜め息を落とされてしまった。
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