社長さんの溺愛は、可愛いパン屋さんのチョココロネのお味⁉︎
***
着替える際に机上に投げておいた携帯電話が着信を知らせて、実篤はそれに出ようとして――。
「あー、クソッ! 手袋!」
田岡らに半ば無理矢理はめさせられた爪付きグローブが邪魔で通話ボタンをうまくタップ出来なくて焦ってしまう。
仕方なく、口でくわえて引きむしるようにして手袋を外したら、田岡が「きゃー、社長、ワイルドぉ〜!」と叫んで。
すかさず野田が「さすが狼男です!」と訳のわからない合いの手を入れる。
営業マンの男性二人は、定時を過ぎると同時に早々に「お先に失礼します」と事務所を後にしたというのに、どうして女性陣二人は帰ってくれんのんじゃろうか、と思わず溜め息の実篤だ。
クリノ不動産。
ホワイト企業なので基本残業はしなくてもいいように仕事量を配分しているはずなのに。
田岡と野田が、きっと面白がるためだけに残っているのは分かっている実篤だったが、このふたり、示し合わせたようにタイムカード自体は定時とともにキッチリ打刻してくれているから、なかなか強く「帰りなさい」と言えなくて弱っている。
着替える際に机上に投げておいた携帯電話が着信を知らせて、実篤はそれに出ようとして――。
「あー、クソッ! 手袋!」
田岡らに半ば無理矢理はめさせられた爪付きグローブが邪魔で通話ボタンをうまくタップ出来なくて焦ってしまう。
仕方なく、口でくわえて引きむしるようにして手袋を外したら、田岡が「きゃー、社長、ワイルドぉ〜!」と叫んで。
すかさず野田が「さすが狼男です!」と訳のわからない合いの手を入れる。
営業マンの男性二人は、定時を過ぎると同時に早々に「お先に失礼します」と事務所を後にしたというのに、どうして女性陣二人は帰ってくれんのんじゃろうか、と思わず溜め息の実篤だ。
クリノ不動産。
ホワイト企業なので基本残業はしなくてもいいように仕事量を配分しているはずなのに。
田岡と野田が、きっと面白がるためだけに残っているのは分かっている実篤だったが、このふたり、示し合わせたようにタイムカード自体は定時とともにキッチリ打刻してくれているから、なかなか強く「帰りなさい」と言えなくて弱っている。