eスポーツ!!~恋人も友達もいないぼっちな私と、プロゲーマーで有名配信者の彼~
リビングに戻ると、まるで学校の面談かのような面持ちでみんなが座っている。
「で、なんかあった……?」
私がとぼけてそう話すと、お母さんはマシンガンのように喋りはじめた。
「なんかあったじゃないわよ! がんばりなさいとは話したけど、まさかこんな大事だったなんて‼ お兄ちゃんから聞いたとき、卒倒しそうになったわよ! ほんとうにもう!」
「あ、ごめんなさい……」
お兄ちゃんに助けを求めようとしたけど、お兄ちゃんが頭を振った。
「俺もさ、友達からの連絡で知ったんだよ。『これ春菜ちゃんだよな⁉』って。同じ小学校や地元のツレから連絡きっぱなし。春菜もそうじゃないのか?」
青龍杯の配信、そんなに影響があったんだ。
そういえば、全然スマホ見てなかった……。
スマホのスリープを解除する。
[新着通知121件]
「――は? なにこれ!」
「見てなかったのかよ。前の地元の人達、家にまで電話かけてきたぞ」
「うそでしょ⁉」
お母さんはため息をつく。
「嘘じゃないわよ。春菜ちゃんすごいわね、有名人になったわね、ソウマさんのサインいただける? なんて言われるんだから、お母さん困っちゃったわよ」
こんなに騒ぎになってたなんて……。
「ごめんね……。でも、ちょっと前に色々あって、どうしてもこの大会には出たかったの」
お母さんは私の隣に座る。
「謝らなくてもいいのよ。あなたはすごいことをしたんだから。でもね、もう少し頼ってくれてもいいし、相談してくれてもいいんだからね」
きっと炎上のことを知って、心配をかけたのかもしれない。
「うん。ありがとう……」
やっぱりお母さんにはかなわないな。
じーんとしていると、今まで黙っていたお父さんが口を開いた。
「……で、どうするんだ。これから?」
「どうって、なにを?」
「プロゲーマーになるのか?」
いつの間にか、アタックウォリアーズに夢中になっていた。
それに今回のことは、ヤマトが信じてくれた私でいたかったから。
ヤマトの気持ちに応えたかったから青龍杯に出た。
これからのこと……なんて考えてもいない。
「……そんなことまでは考えてなかった」
私がそう言うと、お兄ちゃんは苦笑いする。
「春菜、お前あんな大きな大会で優勝したのに、そういうつもりじゃなかったのか。青龍杯見ながらさ、これから家族でどう春菜を応援していくかまで会議してたのに」
「まぁ、春菜らしいわよね」
お母さんはそう話すと、笑いながら台所に向かった。
「これからのことはゆっくり考えたらいいじゃない。とにかく、今日はお祝いね! 家にあるものだけど、ごちそう作るわ」
その言葉を聞いただけでお腹がぐぅと鳴る。
「母さん、大会のとき叫びまくってたんだよ。アタックウォリアーズってルールがシンプルだから熱中しやすいな。近所迷惑になりそうで怖かったけど」
その姿を想像すると、笑えてくる。
みんな、応援してくれてたんだ。
「お兄ちゃんも、お父さんもありがとう」
お父さんは「ん」と小さな声で返事したあと、続けた。
「ところでだな、ヤマト……という青年とは付き合っているのか?」
「ちょ、なに言ってるの! まだそんなんじゃないよ!」
「……まだ?」
「あーもう! 年頃の乙女にそんなこと聞かないで!」
お兄ちゃんはニヤニヤして私の話を聞いてる。ムカつくっ!
「春菜、色々詮索するような連絡来るけど、全部適当に誤魔化しとくからな」
「と、とりあえずそれでお願い」
私のスマホにも、今話している間にもどんどんと通知がきている。
どんな内容が来ているのか考えると、楽しみなような、少し怖いような、不思議な感覚だった。
「で、なんかあった……?」
私がとぼけてそう話すと、お母さんはマシンガンのように喋りはじめた。
「なんかあったじゃないわよ! がんばりなさいとは話したけど、まさかこんな大事だったなんて‼ お兄ちゃんから聞いたとき、卒倒しそうになったわよ! ほんとうにもう!」
「あ、ごめんなさい……」
お兄ちゃんに助けを求めようとしたけど、お兄ちゃんが頭を振った。
「俺もさ、友達からの連絡で知ったんだよ。『これ春菜ちゃんだよな⁉』って。同じ小学校や地元のツレから連絡きっぱなし。春菜もそうじゃないのか?」
青龍杯の配信、そんなに影響があったんだ。
そういえば、全然スマホ見てなかった……。
スマホのスリープを解除する。
[新着通知121件]
「――は? なにこれ!」
「見てなかったのかよ。前の地元の人達、家にまで電話かけてきたぞ」
「うそでしょ⁉」
お母さんはため息をつく。
「嘘じゃないわよ。春菜ちゃんすごいわね、有名人になったわね、ソウマさんのサインいただける? なんて言われるんだから、お母さん困っちゃったわよ」
こんなに騒ぎになってたなんて……。
「ごめんね……。でも、ちょっと前に色々あって、どうしてもこの大会には出たかったの」
お母さんは私の隣に座る。
「謝らなくてもいいのよ。あなたはすごいことをしたんだから。でもね、もう少し頼ってくれてもいいし、相談してくれてもいいんだからね」
きっと炎上のことを知って、心配をかけたのかもしれない。
「うん。ありがとう……」
やっぱりお母さんにはかなわないな。
じーんとしていると、今まで黙っていたお父さんが口を開いた。
「……で、どうするんだ。これから?」
「どうって、なにを?」
「プロゲーマーになるのか?」
いつの間にか、アタックウォリアーズに夢中になっていた。
それに今回のことは、ヤマトが信じてくれた私でいたかったから。
ヤマトの気持ちに応えたかったから青龍杯に出た。
これからのこと……なんて考えてもいない。
「……そんなことまでは考えてなかった」
私がそう言うと、お兄ちゃんは苦笑いする。
「春菜、お前あんな大きな大会で優勝したのに、そういうつもりじゃなかったのか。青龍杯見ながらさ、これから家族でどう春菜を応援していくかまで会議してたのに」
「まぁ、春菜らしいわよね」
お母さんはそう話すと、笑いながら台所に向かった。
「これからのことはゆっくり考えたらいいじゃない。とにかく、今日はお祝いね! 家にあるものだけど、ごちそう作るわ」
その言葉を聞いただけでお腹がぐぅと鳴る。
「母さん、大会のとき叫びまくってたんだよ。アタックウォリアーズってルールがシンプルだから熱中しやすいな。近所迷惑になりそうで怖かったけど」
その姿を想像すると、笑えてくる。
みんな、応援してくれてたんだ。
「お兄ちゃんも、お父さんもありがとう」
お父さんは「ん」と小さな声で返事したあと、続けた。
「ところでだな、ヤマト……という青年とは付き合っているのか?」
「ちょ、なに言ってるの! まだそんなんじゃないよ!」
「……まだ?」
「あーもう! 年頃の乙女にそんなこと聞かないで!」
お兄ちゃんはニヤニヤして私の話を聞いてる。ムカつくっ!
「春菜、色々詮索するような連絡来るけど、全部適当に誤魔化しとくからな」
「と、とりあえずそれでお願い」
私のスマホにも、今話している間にもどんどんと通知がきている。
どんな内容が来ているのか考えると、楽しみなような、少し怖いような、不思議な感覚だった。