きみの優しさを受けとりたい。



「雨水先輩、こんにちは
 あの私、雨水先輩に用があって…」



やっぱり雨水先輩に会うと変な気持ちになる



嬉しいような恥ずかしいようななんか甘酸っぱい気持ちに



「僕に?」



雨水先輩と話してると周りの女子の先輩方の視線が刺さる



周りのスリッパの色と違うから余計にだ



今にも「なんで一年がここにいるの?」「叶くんから離れてよ!」「ムカつく1年だな」と聞こえてきそうだ




私が居心地悪そうにしているのが伝わったのか



「こっちにきて」



と手首を掴まれ空き教室に連れていかれる。



行く途中ずっと手首を離さないでほしいと思った。



ガラッ



空き教室はすごく埃っぽかった



けれど、雰囲気がとても良く心地よい場所だ。



「ごめんね、いきなりここに連れてきちゃって。廊下よりここの方が落ち着いて話せるかと思って」




先輩の気遣いが嬉しい



そして空き教室に着くと優しく離された手首からまだ余韻が抜けない

 
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