恋のチャンスは3日間
お腹が満たされて、ちょっと落ち着いたから会話をすることにした。

聞きたかったのは、やっぱり杉崎さんと野村のこと。
大学から付き合ってたってことか・・・長いな。
俺は一人の人と長く続かないからな。

森下の恋愛を聞いたら、杉崎さんのことを相手が好きになったって・・・悲惨。
だってそれって俺の彼女がまもを好きになったってのと一緒だろ・・・それはキツいだろ。

森下を励まそうと思って言った一言。

「森下のいいところわかるやつはきっといるよ」

の言葉に泣きそうな顔をした。

そんな言葉を、いろんな人から言われ続けてたのだろか。
失敗したか。

でもその後、酒をグイっと飲んで 明るく話題を変えた。
ああ、こう言うところ。すげえなって思うよ。

話の途中

「野村のこと一回も好きにならなかったの?」

って聞いた。
だって、やっぱ好きになるもんじゃね?一回くらいは。

でも、森下は全力で否定した。

「ないですよ。だって、たけちゃん・・・・アホですからね」

「え?野村って仕事できるってきいてるよ?」

「ああ、そうですね。学校の勉強もいつも学年で5位以内に入ってましたし、私は勉強苦手だったんで、良く教えてもらってました」

「うん」

「大学合格したのは、半分たけちゃんのお陰だったので。卒業も手伝ってくれて。論文とか。そこは本当に感謝してるんですよ・・・でもアホなんですよ・・・」

「・・・そうなんだ・・・」

多分、幼馴染みだからわかる「アホ」なんだろうな。

「顔も好みじゃないし、だから無いですね!」

笑顔できっぱり。

なんだろう、ちょっとホッとしている自分がいることに気がつく。
森下に感じるこの気持ちってなんなんだろうな。

そんな疑問を抱きながら、3時を回るまで楽しく話をしてしまった。

森下・・・お前聞き上手だな。
すげえ楽しかった。
でも、そろそろ限界。
眠い。


森下が部屋に入っていくのを確認して、電気を常備灯をにする。

久しぶりに気持ち良く眠れそうな気がする。

そう思いながら目を閉じると、スーッと眠りに落ちていった。

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