無気力な王子様は私への愛を拗らせたヤンデレさんでした。

「……わかったよ。ひなちゃんは僕と一緒にいたくないんだね……」

「は、話聞いてた……！？」


ひなくんなんかおかしいってば……！！

そんなことを思いながらも、どうにか助けを呼ばないか周りを見回す。


「……なにキョロキョロしてんの？」


ぎゅっと手首を握られて、ひなくんに引き寄せられる。


鼻が当たりそうな距離まで顔が近づくけど、なんだかいつもとは湧き出てくる感情がちがう気がした。


「……僕だけ見ててよ……」


また口調が変わり、儚い声を出したひなくん。


ねぇ、どうしてこうなっちゃったんだろう……。


私は、ただふたりで幸せになりたかっただけ、なのに……。